ベンチャーキャピタルで資金調達を成功に導く7つの流れ+α

ベンチャーキャピタル 資金調達

ベンチャーキャピタル(以下、VCと略す)で資金調達するとは、どういう事?

VCはベンチャー企業が巨額な資金を調達できる方法として注目を集めています。
しかしながら、実際のところどの様な資金調達方法なのかご存知ですか?

VCとは急成長するであろう将来性のある企業へ投資をし、投資先企業がEXIT(上場やM&A)をしたタイミングで株式を売却し収益を得るというビジネスです。VCでの資金調達は巨額な資金を調達することが可能ですが、反対にリスクも大きい資金調達方法になります。

今回はベンチャー企業がVCから資金を調達するということは、どういう事なのかという事について詳しく解説していきましょう。

1:VCから資金調達をする!再確認したい1つの事

VCから資金調達をする際に、注意すべきことはあるのか?

VCからの資金調達は、実績がなくても魅力的な事業計画があれば資金を調達することが可能です。

しかし早くて5年以内に、急成長をしEXIT(上場やM&A)することを強いられます。

事業に失敗しそうだと分かれば、早々に資金を回収され事業を続けることが困難な状況へなってしまう可能性も十分考えられるのです。

そんなVCから資金を調達する前に、もう一度下記のことを考えてみましょう。

  • VCは本当に必要か?

上記について詳しく考えていきます。

1-1:VCは本当に必要か?事業特性から考える

「VCは本当に必要か?」

VCから資金を調達する前に、今一度じっくり考えてみましょう。

VCとはそもそも、今の身の丈には合わない大型資金がどうしても必要な時に利用する資金調達方法です。売上だけでは資金調達に時間がかかり、銀行融資では実績が無いから大型資金は得られないという場合になります。

事業特性としては世にインパクトを与え知名度を上げたい!競合に勝つため大きいスケールで打ち出す必要がある。の様な場合が適しています。VCから資金調達をするのが「かっこいい」「良い事業である」と勘違いしていませんか?VCでの資金調達は決してファッション化するものではありません。

また、VCで資金調達をすることが良い事業というわけでも無いのです。
VCから資金調達をできない・すべきではない事業でも素晴らしい事業はあります。

自分たちの会社が今、VCから資金を調達すべきなのか資金調達する前に再確認してみましょう。
資金の調達方法は事業特性により異なり、様々な方法があるということを忘れないでください。

2:VCで資金調達をする!5つメリットと3つデメリット

VCで資金調達するという事は、悪いことなの?
メリットやデメリットが知りたい。

VCからの資金調達を検討していれば、上記の様な疑問が出てくるでしょう。

VCからの資金調達は、決して悪い事ではありません。実績がないベンチャー企業からすると、資金を調達できる有用な方法です。

そんなVCでの資金調達には5つのメリットと3つのデメリットが存在します。

  • 5つのメリット
    ① 短期間で会社を急成長できる
    ② 一定期間赤字でも耐えられる
    ③ 返済義務は無い
    ④ その後の資金調達が容易になる
    ⑤ 経営コンサルティングを受けられる
  • 3つのデメリット
    ① 自由な経営が出来なくなる
    ② 急成長を強いられる
    ③ 早期回収の可能性がある

上記5つのメリット3つのデメリットについて詳しく紹介していきましょう。

VCから資金調達を行う前に、いま一度チェックしておいてください。

2-1:5つのメリット

VC5つのメリットについて紹介します。

① 短期間で会社を急成長できる
VCからの資金調達は額が大きく、通常の資金調達方法よりも短期間で会社を急成長させることが出来ます。
事業内容が魅力的であれば、その分調達額も上がり億単位で資金を確保できることも考えられるのです。

② 一定期間赤字でも耐えられる
VCから資金を調達することが出来れば、一定期間赤字だったとしても経営状態を保つことが出来ます。
また、VCから得た資金を活用し事業が軌道に乗れば赤字分も回収することが可能です。

③ 返済義務は無い
VCからの資金調達は「投資」です。融資でも借金でもない為、もしも事業に失敗し返済困難な状況に陥ったとしても返済する義務はありません。

④ その後の資金調達が容易になる
VCから資金調達をした後は、その後の資金調達が以前よりも簡単になる傾向があります。
なぜなら、この会社は「VCから評価を得ている・VCから資金調達したんだ」と安心材料が増えるからです。
またVCからの資金調達により、上場に成功すれば更に資金調達が容易になることが考えられます。

⑤ 経営コンサルティングを受けられる
VCから資金調達すると、VCから経験豊富な担当者が派遣されます。
VCの担当者が、直接いままでの経験から保有する知識やノウハウを提供してくれるのです。
経営知識があまりない若手ばかりの企業や、経営者にとってはプロの意見を参考にできるのは大きな利点と言えるのではないでしょうか。

2-2:3つのデメリット

VC3つのデメリットについて紹介します。

① 自由な経営が出来なくなる
VCから資金を調達すると、株主であるVCが経営について口出しをしてきます。
いままで自由に進めていた経営方針も、自分の意思だけでは決定出来なくなるのです。
誰にも口出ししてほしくない!自由気ままに経営したい!という考えでは通用しなくなってしまいます。

② 急成長を強いられる
VCで資金を調達したら、早ければ5年以内にEXITを強いられます
資金を調達するということは、急成長が義務づけられており全速力でEXITまで進める必要があるのです。

③ 早期回収の可能性がある
もしも事業計画が上手く立ちいかなくなったら・・・。
その際にはVCは、早々に資金を回収することがあります。
成長が見込めないと判断すると、資金を回収し他の有望な企業へ出資しようとするのです。事業計画の途中で資金を回収されてしまっては、当然うまく経営が進まなくなることが目に見えています。早期回収される可能性もあるという事を覚えておきましょう。

3:絶対にVCから資金を確保する!調達までの7つの流れ

VCから資金を調達したい!でもどうしたら良いか分からない。

上記の様にVCから資金調達しようと考えていても、具体的にどうすればVCから資金を調達する事が出来るのか分からなくて悩んでいませんか?

VCから資金を調達するには、主に7つの流れを経て出資実行まで結び付けていきます。7つの流れについて紹介しましょう。

  • 事業計画書の作成と修正
  • VCにアピールし連絡する
  • 要求された資料の提出
  • VC側で調査・分析・審査される
  • 出資条件の決定
  • 出資委員会での審査
  • 出資実行

上記7つの流れについて詳しく解説していきます。

この中でも特に重要なのは、事業計画書の作成です。事業計画書は出資をするか否かを決める重要な役割を持っています。
慎重に作成し何度も修正を重ねていきましょう。

3-1:事業計画書の作成と修正

1つ目の流れは事業計画書の作成と修正です。

VCへアピールしたり連絡をしたりする前に、まずは事業計画書を作成しましょう。
事業計画書はVCが出資するかどうか決める際に、重要視される大事なポイントです。

事業計画書に、最低限記載が必要な11の項目を紹介します。

  1. 会社概要
  2. 経営理念
  3. 商品・サービス概要
  4. 事業の立ち上げ経緯
  5. チームスタッフについて
  6. 競合と市場調査
  7. 利益向上のための方法
  8. オペレーション計画
  9. 成長販売戦略
  10. 財務計画
  11. リスク管理

上記11の項目は、事業計画書を作成する上で最低限必要な項目です。
中でも注意して作成してほしい項目が4つあります。
チームスタッフについて」「競合と市場調査」「成長販売戦略」「財務計画の4つです。

この4つの重要項目について詳しく解説していきます。これから事業計画書を作成する際には、必ずチェックしてください。

3-1-1:チームスタッフについて

チームスタッフについて、重要である事を解説します。

VCが出資をするかどうか判断する際に、経営陣の能力資質も基準の1つとして該当するのです。
経営陣として明らかに経験不足であろう人物に、あなたなら大金を出資しようと思いますか?

出資しようとしている企業には、どんな人物が居て優秀な経営能力を持っているのか確認をします。経営陣の能力資質が優秀であるという事を明確に記載し、これらのスタッフがどのように成功へと導くことが出来るのかを具体的に記載するようにしましょう。

3-1-2:競合と市場調査

「競合と市場調査」について、重要である事を解説します。

競合と市場についても具体的に記載する事が重要です。競合はどこなのか・競合に何で勝つのかを記載し、競合のシェアや商品・サービスのマトリックスを記載しましょう。その上で自社商品でどのように勝つのか、将来性をアピールします。

また、市場調査も欠かしてはなりません。

VCは、最終的にIPOやM&AによるEXITで資金を回収する事を目的としているのです。
市場の成長性が大きければ大きい程リスクは低く、リターンを得ることが出来る可能性があります。
市場の成長性を具体的に記載し、リスクが低いことをアピールしましょう。

3-1-3:成長販売戦略

「成長販売戦略」について、重要である事を解説します。

どんなに商品やサービスが魅力的であっても、販売戦略が描けていなければ売上が上がる可能性はありませんよね。

どうやって誰に営業するのか、どのエリアで、広告はどのように活用するのか
これらを明確に記載し、具体的な戦略方法が描けていることをアピールしましょう。

3-1-4:財務計画

「財務計画」について、重要である事を解説します。

財務計画は、IPO(上場)までの道筋を明確に描く必要があるのです。
IPOによる資金回収を理解した上で、3つの道筋を明確に記載しましょう。

  • IPOする為の事業計画を具体的なロードマップで作成する
  • IPOする時の事業規模(売上・経常利益・差別化要因)
  • IPOまでの売上を利益の伸び数字による具体的な根拠で記載する

3-2:VCにアピールし連絡する

2つ目の流れはVCに連絡をします。

VCからの出資は、事業計画書を作成し待っていても受ける事は難しいです。
自ら3つの方法を使ってアピールしましょう。

  • ① 知人から紹介してもらう方法
  • ② 直接連絡をする方法
  • ③ ピッチコンテストへ参加する方法

上記3つの方法を使ってVCへアピールし連絡をする必要があります。
ただしVCから資金調達をするのは非常に難しく、30社と連絡を取り1社決まる程度の難易度だという事を把握しておきましょう。

3つの方法について詳しく紹介していきます。

3-2-1:知人から紹介してもらう方法

1つ目の方法は知人から紹介してもらう方法です。

意外とVCと繋がりを持つ人は多く、同業者や創業者・友人や上司などから話を聞いてみましょう。
何かの繋がりからVCに紹介してもらえるかもしれません。

またVCでの審査基準に「誰の紹介か」という点も含まれる場合があります。
例えば、過去にその紹介者が紹介した企業が大きく発展し成長していれば、審査段階で有利となる可能性があるのです。

知人からの紹介が、最も早くVCと関わりを持てる1つの方法と言えるでしょう。

3-2-2:直接連絡をする方法

2つ目の方法は、直接連絡をする方法です。

VCの問合せフォームや電話などで、直接接触してみましょう。確率は低めですが、面会の機会を与えてくれるVCもあります。
面会の機会を与えられたら、事業計画書を持参し内容に沿って、しっかりと説明をしましょう。

3-2-3:ピッチコンテストへ参加する方法

3つ目の方法は、ピッチコンテストへ参加する方法です。

ピッチコンテストは、企業したてのスタートアップ企業を対象としたプレゼン大会になります。
このピッチコンテストでは、多くのビジネスマンと出会える良い機会です。

また審査員として呼ばれることが多いのが、投資家や著名人・VCなどの出資する可能性の高い人物になります。

自社を知ってもらう絶好のチャンスと言えるでしょう。

3-3:要求された資料の提出

3つ目の流れは、要求された資料の提出です。

ベンチャーキャピタルへ接触し、面会の約束などをした場合には必要書類の提出を求められます。
必要となる主な書類は10つです。

  • ① 定款
  • ② 会社案内・パンフレット
  • ③ 決算書・税務申告書
  • ④ 事業計画書
  • ⑤ 株主名簿
  • ⑥ 役員経歴書
  • ⑦ 組織図
  • ⑧ 登記簿謄本
  • ⑨ 資金繰り表
  • ⑩ 重要契約書類

上記の必要書類を提出した後に、出資する見込みがあれば資料の追加提出・修正や再面談等の連絡が来ます。

3-4:VC側で調査・分析・審査される

4つ目の流れは、VC側で調査・分析・審査が行われます。

VCは提出された資料や面談内容とは別に、VCが実際の状況を知るためにも独自で調査・分析を行うのです。

  • 市場動向調査
  • 業界動向調査
  • 事業計画書の妥当性調査
  • 会計士による財務調査

上記4つの調査を行った上で、出資委員会の審査にかけるべきか最終判断を行います。

3-5:出資条件の決定

5つ目の流れは、出資条件の決定です。

出資委員会の審査にかけることが決定すると、出資の条件を決めます。
条件は主に5つです。

  • 現状の企業価値はいくらか
  • 株価の設定金額
  • どのくらい株をシェアで持つのか
  • 出資額
  • 出資時期

上記等の細かい条件が決定後、投資契約書を提示されます。

上記条件は、自分たちの考えが考慮される場合もあるので交渉をすることも可能です。

気になる点があれば交渉してみましょう。

3-6:出資委員会での審査

6つ目の流れは、出資委員会での審査です。

VC内で行われる出資委員会の審査結果を待ちましょう。
審査にかかる時間は、約1ヶ月~2か月前後です。

3-7:出資実行

7つ目の流れは、ようやく出資の実行になります。
VCの出資委員会で審査が通れば、投資契約を締結し出資が実行されるのです。

以上がVCで資金調達をする流れになります。
資金調達をお考えの場合には、まず事業計画書を念入りに作成しVCとコンタクトを取りましょう。

4:VC以外にもある!3つの資金調達方法

VC以外にも資金調達方法はある。

1章で上記の様に紹介してきました。VC以外にも起業したての実績が無い会社でも、資金を調達する方法は用意されているのです。
今回は3つの資金調達方法を紹介しましょう。

  • 日本政策金融公庫でお金を借りる
  • 助成金・補助金を活用する
  • エンジェル投資家から出資を受ける

上記3つの方法は、ベンチャー企業の様な実績がない会社でも資金を調達できる可能性が高い方法です。

3つの資金調達方法について詳しく紹介していきましょう。

4-1:日本政策金融公庫でお金を借りる

ベンチャー企業が資金を調達する、1つ目の方法は「日本政策金融公庫」でお金を借りる方法です。
日本政策金融公庫とは、政府が100%出資している融資専門の機関になります。

一般の銀行や消費者金融よりも、お金を借りやすいという特徴がありベンチャー企業でも資金を調達することが出来る可能性が高いです。
融資制度には様々な種類がありますが、今回は活用できる3つの制度を紹介します。

制度名称 対象 融資限度額 融資期間
新事業育成資金 新規性・成長性のある事業を
始めておおむね5年以内等
6億円 設備資金:20年以内
運転資金:7年以内
新事業活動促進資金 「経営革新計画」の認定を受けた者
「新連携計画」の認定を受けたプロジェクトに係る連携帯を構成する者。
経営多角化、事業転換などにより第二創業または新たな取組を図る者
7億2,000万円 設備資金:20年以内
運転資金:7年以内
中小企業経営力強化資金 外部専門家の指導・助言または
「中小企業の会計に関する基本要領」の適用により、経営力強化を図る者
7億2,000万円 設備資金:20年以内
運転資金:7年以内

参考:中小企業事業 新企業育成貸付|日本政策金融公庫

www.syatyosan.com

4-2:助成金・補助金を活用する

2つ目の資金調達方法は、助成金や補助金を活用する方法です。

主に国や地方自治体が運営している制度で、対象条件・必要書類を提出すれば無料でお金をもらうことが出来ます。
返済義務がない資金調達方法です。

起業したばかりの中小企業が活用できる助成金・補助金について紹介します。
中小企業・小規模事業者が創業時に活用できる制度を2つ紹介しましょう。

制度名称 対象 融資限度額
創業助成金 東京都内で創業予定もしくは創業5年以内の中小企業等の者 300万円
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 革新的サービス・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業等の者 1,000万円

参考:東京都創業NET|東京都産業労働局
参考:平成30年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

事業計画がしっかりしていれば実績が無くても、助成金・補助金を受け取ることが出来ます。
しかし助成金や補助金は、事業の一部費用を補助することを目的としているので大型の資金調達には向いていないので注意しましょう。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

www.syatyosan.com

www.syatyosan.com

4-3:エンジェル投資家から出資を受ける

3つ目の資金調達方法は、エンジェル投資家から出資を受ける方法です。

エンジェル投資家からの出資とは、創業間もない企業に資金を投資する個人のことを指します。
エンジェル投資家は、VCと似ていますが違う種類の投資家です。

VCは他人のお金を預かりファンドとして運用しますが、エンジェル投資家は個人のお金を使って投資をします。
エンジェル投資家は、投資後の育成に重点を置いている者が多く経営ノウハウという部分でも頼れる存在となる可能性が高いです。
元起業家や経営者が多いので、経験豊富なビジネスノウハウや人脈による支援も行ってくれます。

出資額はエンジェル投資家により様々ですが、中には想像もしなかった様な額を調達できる場合もあるのです。

交流会やマッチングサイト・イベント・プレスリリースによる宣伝などで、エンジェル投資家と出会える可能性があるでしょう。
ANGEL PORTというサイトでは、企業家とエンジェル投資家が繋がれるコミュニティサイトを運営しています。
このようなサイトから出会える可能性もあるので、ぜひチェックしてみて下さい。

ANGEL PORT

まとめ

ベンチャーキャピタルでの資金調達について詳しく解説してきました。

ベンチャーキャピタルから資金を調達する前に「本当に必要か?」という事を、今一度考えてみて下さい。

ベンチャーキャピタル以外にも資金調達を行う方法は、沢山あります。
あなたの会社が本当にベンチャーキャピタルから投資を受けるべき事業特性であるのかにより変わってくるでしょう。

ぜひ参考にしてみて下さい。